ご挨拶

整形外科リハビリテーション学会の前身である整形外科リハビリテーション研究会が前代表理事、林典雄先生の掛け声で産声を上げたのは1991年でした。月に1度行う症例検討が研究会の活動の中心でした。そこに年に1度の学術集会と特別講演、そしてシンポジウムが加わり、やがて全国研修会が始まる頃には全国に支部ができ上り、学会として活動できるようになりました。その活動の中心は理学療法士ではありましたが、作業療法士、義肢装具士、柔道整復師、鍼灸師、アスレティックトレーナーなどリハビリテーションに関わる職種が参加し、また、多くの医師が講師として、顧問として、また会員として関わってくださいました。組織が大きくなるに従い、その責任も大きくなったと感じております。

 

学会の責任のひとつは学問としてのリハビリテーションを示すことであると考えます。リハビリテーション関係の研究においてエビデンスが少ないと言われる理由の一つは研究の規模の小ささにあります。本学会の関係者が共通の課題を認識し、共同で研究を進めるなど、発展的な変化を求めます。一方で学問を、本学会の出発点である「目の前の一人の患者を良くするための知識や技術」として役立たせることも重要です。超高齢社会となった本邦において健康寿命が重要視される今、QOLの充実を考えれば考えるほど整形外科領域の変わらぬ課題である「痛み」「可動域制限」「筋力低下」の解決は不可避です。常に基礎医学に基づき、基本技術に忠実に、そして創造的に治療を行い、今後もその経過と結果についての検討を行うことを活動の中心にしていきます。

 

責任のもう一つは教育です。誰もが参加しやすい、参加が実力につながる、そして将来のリーダーに結び付く教育を提供すべきと考えます。若い会員の基礎を固めると共に、キャリアのある会員が未知の領域に挑戦できるような教育システムを構築していきます。社会が変われば求められるものが変わります。しかし、医学と医療の中で昔から将来にわたって変わらないものもあります。本学会は変わらないものをしっかりと提供し、日々変化するニーズに対応できる柔軟な思考と新しい技術を生み出す力とを育てられる組織であるべきだと考えます。

 

整形外科リハビリテーションの領域には、課題はたくさんあり、また学会のなかにも成長すべき点がいくつもあります。様々な課題に一つ一つ取り組んでまいりますので、会員の皆さまや本学会と関係する方々のご支援とご鞭撻をいただきますよう、心からお願い申し上げます。

 

整形外科リハビリテーション学会 代表理事

浅野昭裕